用语解说
コンテとは、英语のcontinuity(连続、连続性などの意)から生まれた造语で、主に映画における撮影台本を指します。映像作品をつくる上で基本となる、シナリォをさらに具体化した设计図(あるいは完成予定図)のようなもので、文字におって书かれたものを字コンテ、絵で描かれたものを絵コンテと呼んで区别しますが、それぞれ监督のイメージを的确にスタッフに伝えるためのものである点は同じです。
実写の映画でも、SFX(特殊撮影)を多用した作品やCMなどでは一般的に使用されていますが、アニメの场合はこの絵コンテをもとに全编の原画や背景画が描かれ、また作业がいくつかのパートに分かれて同时进行するため、特に重要な役割を果たすことになります。
ここでは、絵コンテに表记されている撮影用语について简単に说明しておきます。巻末に収録した宫崎监督による「アニメーション画面処理について」とあわせてお読みください。
また、本作品では絵コンテ中にD合成、D処理などと书かれているとおり、全编にわたってデジタルによる映像処理が使われています。デジタル映像処理については様々な技法が使われていますが、ここには、絵コンテに表记されているCG(コンピュータ・グラフィクス)用语について说明します。
・Fix(フィックス)
ある画面で、カメラを动かさずに据えたまま撮影すること。
・移动
Fixとは逆に、カメラの位置を动かしながら撮影すること。
・Follow(フォロー)
动いている被写体に対しカメラが移动しながら、常に画面の中に入るようにその被写体の动きを追うこと。(後述のPANやT・Uなども同じ)
アニメーションにおいてはカメラは撮影台に取り付けられているので、移动させるには制限がある。この场合、被写体の动きは动画としてカメラとの位置関系はそのままに描かれ、その动画(セル画)を置き替えながら背景画のみを动かして撮影することによりFollowの効果を出している。
・PAN(パン)
panoramaからきた言叶で、カメラの位置は固定したままレンズを左右に振ること。上下に振る场合にはTilt(ティルと)と呼ぶが、絵コンテではP・U(パン・アップ)、P・D(パン・ダウン)と表记されることが多い。
Followと同様に、アニメーションの场合は対象となるもの(セル画および背景画など)を左右、もしくは上下に动かして撮影するのが一般的である。
・Follow PAN(フォロー・パン)
カメラの位置は固定したまま、动いている被写体が常に画面の中に入るように、その动きをPANによって追うこと。通常は、つけPANと表记されることが多い。
アニメーションの场合はy前述のPANで说明したとおり、実际にはカメラと撮影される対象物とは平行移动しているので、レンズを振ったような効果を明确に出すには、セル画および背景画をそのような动きに合わせて描く必要がある。
・T・U Track Up(トラック・アップ)の略
カメラが前に移动しながら、ある対象を撮影すること。逆に、後ろに移动しながら撮影することをT・B(Track Back=トラック・バック)という。
・マルチ Multiplane(マルチプレーン)の略。
撮影台に高さの违う复数の段を组んで、カメラからの距离をそれぞれ変えて撮影すること。この场合、カメラの焦点は画面の一部に合っていることになり、远近感を表现できる。
・密着マルチ
画面全体に焦点が合っているマルチ撮影。カメラから同じ距离に复数の段を组んで撮影すること。
・F・I Fade In(フェード・イン=溶明)の略。
真っ暗な画面が次第に明るくなって人物や风景が见えてくること。F・O(フェド・アウト=溶暗)はその逆で、画面が次第に暗くなって何も见えなくなってしまう撮影効果。
・O・L Overlap(オーバーラップ)の略。
ある画面にもうひとつの画面が重なって目えたり、场面の変わり目などで、前のカットが徐々に薄れて消えていくのと入れ替わりに、次のカットが现れてくる场合のような撮影効果。主に时间経过を示す际などに用いられる。あるひとつのカットの中で使われる场合、中OL、カット内OLなどと呼ばれる。
・ダブラシ Double Exposure(二重露出)のこと。WXPと表记する场合もある。
Wラシとも书く。すべての画面を半分の露出で撮影し、次にダブらせたい部分だけを黒でおおったもの(マスクという)を置いて、もう一度半分の露出で撮影する(これを半露出という)。すると、全体が100パーセントの露出で见た目はふつうの画面になるのに対して、マスクを置いた部分だけは半分の露出のままなので、透き通って见えるという仕组みである。
その际、最初と2度目で露出の度合いを変えることで、ダブラシの色合いを浓くしたり薄くしたりもできる。またキャラクターの影のように、ダブラシのなかでも特に色合いを暗く落としたい时に半露出を使う场合がある。
・スーパー Superimpose(スーパーインポーズ)の略。
ダブラシと同じく二重露出だが、全部の絵を一度100パーセントの露出で撮影し、そのフィルムをいったん巻き戻してから、黒バックの上で目立たせたいものを描いた絵をもう一度撮影する。これで、よる明るく光ったような効果が出せる。タイトル表现などでよく使われる。
・透过光
T光と表记する场合もある。
车のライト、レーザー光线など光を発しているものを表现する时に用いられる。撮影台の下からじかに光を照射して撮影する方法。
・Fr・in Frame in(フレーム・イン)の略。
画面の中に人物などの対象物が入りこんでくること。逆に、画面から出ていくことをFr・out(フレーム・アウト)という。
・同ポジ
同一のカメラポジション(アングル)のカットを别のカットとして使用すること。
・画面动
爆発シーンや飞行机の内部など、画面が振动してプレているような场合、撮影时にセル画及び背景画を动かして効果を出す。船の揺れなどのゆっくるした上下运动はローリングと呼ばれる。
・offセルフ
あるシーンで、画面に写っていない人物が喋っている场合に、その人物のセリフをoffセリフという。単にoffと省略することもある。また、人物がセリフを喋りながら画面に入ってくるときには「offよりon」などと表记される。
・オプチカル
光学撮影による合成処理のこと。现像所での现象や焼付けの段阶でさまざまな効果を加えることができるが、现在ではCGが代わって利用されることが多い。
・SE(エス・イー) Sound Effectの略。
爆発音や足音などの効果音のこと。
・BG(ビージー) Backgroundの略。
セル画の後ろに置かれる背景画のこと。
・Book(ブック)
普通の背景画のほかに描かれる背景のこと。人物が草や木の後ろ侧を通过する场合などで、その草や木の部分だけを背景画とは别の画用纸、もしくはセルに描いた物をBookという。この场合、一番下に背景画を置き、次に人物が描かれたセル画、さらにその上に草や木が描かれたBookを置いて撮影する。
・BG动画(背景动画)
実写では、风景が流れたり変化するのをカメラワークによって撮影できるが、アニメーションの场合はCGとの并用が用いられる以前は、作画によってしか表现できなかった。
例えば、车の运転席から前を见ている画面では、车が进むにつれて建物などが奥から手前に移动しつつ奥にはまた新たな风景が见えてくる。これをアニメーションでは、その风景の変化を背景画でなく动画として描いていたので、このようなカットを背景动画と呼ぶ。
・AC Action Cut(アクション・カット)の略。
前後の2つのカットで、ある被写体が连続した动きをしているように作画すること。
・テレコ
カットなどの顺序を入れ替えること。「~と~をテレコにする」というふうに使われる。
・ハーモニー処理
セル画の部分もイラストのように背景画の一部として描き込むこと。ストップモーションの画面(止め絵)として使われることもある。
・モーフィング(ワーピング)
コンピュータを使った画面処理の一种で、画面を変形する技术をさす。原画と原画をつなぐ中割りの动画を、原画を変形しオーバーラップさせることで作り出す。厳密には、复数の原画を中割りしていく场合をモーフィング、1枚の原画を変形させて动画にする场合はワーピングという。
・マーピング
3次元CGを用いた画面処理の一种。コンピュータで定义した立体物や地形の表面に、背景画、动画などの画像データをあたかも壁纸のように贴り付ける手法。本来は平面である画像に立体的な広がりや奥行きを持たせることが可能になる。背景画に立体的なカメラワークをつけ、従来の「背景动画」的な画面を作って、手书きでは困难な复雑な模様の物体を动かすことができる。